十月迷い唄 (2012?)
真夏の景色を冬から守ろうと
繕い抑えても
木枯らしに吹き散らされて
それでもあたしには
それしかないから
落ち葉にまみれて
泣く姿が似合っていた
北風の中を惨めな歩幅で
そっと冷えてゆく夢を抱いて
眠る場所を探すだけ
あんなに浮かれて踊った夜さえ
白けさせてしまったここの風が怖くて憎い
あの夜と同じ陽気な音楽が
可哀想なあたしを
包むように押し潰した
突き刺さる風に背中を晒して
そっと強張っていく身体は
冬の枯れ枝に似てた
北風の中を惨めな歩幅で
そっと冷えてゆく夢を抱いて
眠る場所を探すだけ